十二支の中で唯一、実在しない空想上の生き物である辰が、なぜ十二支に選ばれたのか、その理由は諸説あります。
天体からとられた
古代中国では、農作業を行う暦に恒星の「大火」を用いていました。
大火とは、さそり座のアンタレスです。殷(いん)の時代には大火を「辰」と呼び、守護神扱いしたと言われています。
十二支を制定する際に5番目が辰となったのは、「大火が五月の星だから」という説です。
この説によると、辰は天体からとられたということになります。大火は、さそり座のアンタレスの中でも、特に目立つ赤い星です。
この星は、中国の古代では、農耕の神様として崇められていました。
そのため、十二支に選ばれる際には、自然界の中で最も力強い存在であると考えられた大火が選ばれたと考えられます。
ワニが転じて龍になった
中国の古代神話では、龍はワニや蛇などの動物と関連付けられていました。
辰は「ふるう、ととのう」を意味する「振」で、陽気が動いて万物が振動し、草木もよく成長して形がととのった状態を表すと解釈されています。
このことから、ワニや蛇が「辰」に転じて龍になったという説があります。
この説によると、辰はワニや蛇などの実在する動物が起源であるということになります。
辰は、水辺に生息する動物であり、水を司る神様として崇められていました。
そのため、十二支に選ばれる際には、水の力を象徴するワニや蛇が選ばれたと考えられます。
インドの教典が起源
インドの古代教典「ヴェーダ」には、十二支に似た「十二宮」があり、その中に「竜」が含まれています。
このことから、十二支の辰はインドの「竜」が起源であるという説があります。
この説によると、辰はインドの「竜」が起源であるということになります。
インドの「竜」は、水や空を自由に飛び回る神聖な生き物として崇められていました。
そのため、十二支に選ばれる際には、空や水の力を持つ辰が選ばれたと考えられます。
辰年生まれの人の性格
辰年生まれの人は、強い意志とリーダーシップを発揮するタイプが多いと言われています。
また、先見の明や発想力に優れ、成功を収める可能性が高いと言われています。
辰年生まれの人の性格は、辰の持つ力や権力のイメージとよく似ています。辰は、空や水を自由に飛び回る神聖な生き物です。
そのため、辰年生まれの人は、自由奔放で向上心が高く、目標に向かって努力することができる人が多いと言われています。
また、辰は、強い力や権力を持つ動物です。そのため、辰年生まれの人は、リーダーシップを発揮し、周囲を引っ張っていく力を持つ人が多いと言われています。
もちろん、すべての辰年生まれの人が同じ性格というわけではありません。
しかし、辰の持つ力や権力のイメージが、辰年生まれの人の性格に少なからず影響を与えていると考えられます。
まとめ
辰が十二支に選ばれた理由は、はっきりとはわかっていません。
しかし、いずれの説も、辰が強い力や権力を持つ動物であることを示唆しています。
辰が十二支に選ばれた理由を裏付ける証拠
辰が十二支に選ばれた理由を裏付ける証拠としては、以下のようなものが挙げられます。
* 中国の古代神話や宗教において、辰は神聖な存在として崇められていた。
* 辰は、水や空を司る神様として信仰されていた。
* 辰は、強い力や権力を持つ動物としてイメージされていた。
これらの証拠から、辰が十二支に選ばれた理由は、その強い力や権力に対する憧れや畏敬の念であったと考えられます。