性格は、私たちの考え方や行動を大きく左右するものです。性格は遺伝と環境のどちらで決まるのでしょうか。
性格の遺伝率
性格の遺伝率とは、性格の差異が遺伝によって説明できる割合のことです。双子研究によると、性格の遺伝率は約30~50%とされています。
双子研究とは、一卵性双生児(遺伝子が100%同じ)と二卵性双生児(遺伝子が50%同じ)の性格の違いを比較する研究です。
一卵性双生児は遺伝子が同じなので、性格の差異は環境の影響によるものと考えられますが、二卵性双生児は遺伝子が違うので、性格の差異は環境の影響と遺伝子の影響の両方によるものと考えられます。
性格の遺伝要因
性格の遺伝要因としては、主に以下の3つが考えられます。
* 神経伝達物質
* ホルモン
* 遺伝子
神経伝達物質は、脳の細胞同士のコミュニケーションを担う物質です。
性格の遺伝要因として最も注目されているのが、神経伝達物質のドーパミン、セロトニン、ノルアドレナリンです。
これらの神経伝達物質は、それぞれ意欲や幸福感、興奮度などの調節に関与しています。
ホルモンも性格の遺伝要因として関与していると考えられています。
例えば、男性ホルモンであるテストステロンは、攻撃性や競争心と関連しており、女性ホルモンであるエストロゲンは、共感や協調性と関連していると言われています。
遺伝子も性格の遺伝要因として関与しています。
ビッグファイブ性格特性の1つである「外向性」は、遺伝子の多型(DNAの配列の違い)と関連していることが研究で示されています。
性格の環境要因
性格の環境要因としては、主に以下の2つが考えられます。
* 家族
* 社会
家族は、性格の形成に大きな影響を与えます。
例えば、親の性格や子育て方法は、子どもの性格に影響を与えると考えられています。
また、兄弟姉妹の影響も性格の形成に影響を与えると考えられています。
社会も、性格の形成に影響を与えます。例えば、文化や教育制度は、性格の形成に影響を与えると考えられています。
また、社会的な地位や役割も、性格の形成に影響を与えると考えられています。
性格の遺伝と環境の相互作用
性格は、遺伝と環境の相互作用によって形成されます。
遺伝によってある程度の性格傾向が決まりますが、環境によってその傾向が強くなったり弱くなったりします。
外向性の遺伝子を持っている人が、外向的な環境に身を置けば、より外向的な性格になると考えられます。
内向性の遺伝子を持っている人が、内向的な環境に身を置けば、より内向的な性格になると考えられます。
まとめ
性格は、遺伝と環境の相互作用によって形成されます。
遺伝によってある程度の性格傾向が決まりますが、環境によってその傾向が強くなったり弱くなったりします。
性格の遺伝率は約30~50%とされています。これは、性格の差異の半分は遺伝によって説明できるということです。
しかし、残りの半分は環境の影響によるものであり、環境によって性格は変化させることができます。
性格は変えられないものではありません。
環境を工夫することで、より望ましい性格になることができます。